2011-01-01から1年間の記事一覧

薬を減らすには。

他医療機関からの移ってくる患者さんの飲んでいる薬の量が半端でないときがよくある。 中には、何のために処方されているのか分からない意味のない薬を飲んでいる人も多い。 「前医の苦労が偲ばれる」と、好意的に解釈してみたりするのだが。よって、患者さ…

森田療法学会終了

森田療法学会が無事終わった。この学会でまさか会うとは思っていない先生と出会ったりして、この業界の狭さを再認識した。最近は、今までの誰もがバイオロジカル精神医学になびく風潮もそのピークを過ぎた感があり、薬物療法主体から精神療法主体の流れに代…

どんな有名な精神科医でも

だいぶ前に大学の同窓会があった。約20年ぶりに再会した人もいた。 同級生で精神科医になり、テレビに出ていたりして、それなりに有名になった先生も来ていた。さぞやみんなの注目を浴びて、彼の周りに人垣ができるような勢いなのだろうと思っていたら、思…

精神科医は悲しい目をしている

最近、精神科医の顔写真を見ていて思うのだが、その目が、どこか悲しみに満ちている人が多い気がする。熱心に臨床をやっているほどその傾向にあるように思う。その精神科医の目を見れば、臨床を大事にしている人かどうかが、わかるかもしれない。一方、なぜ…

事件をネタに文を書くこと

インターネットが発達して、事件や事故の直接の当事者でもない人が、文章を書く事が多くなった。また以前に比べて、文章を書く人が確実に多くなっているように感じる。僕がガキの頃は、作文が苦手な人が多数派で、例えば壁新聞とか、文集とか、同人誌なんか…

「被災者のこころのケア」について

今回の震災や、原発事故に関連して、やはり「当事者のこころのケア」の話が出てきた。たぶん、現地に入った専門家も多かったのだと思う。 私自身は、現地で被災した方々にかかわったことがないので、あまり偉そうなことは言えないのだが、実際しっかり機能す…

「脱原発」の考えだった頃

今回の大震災で福島の原発が暴走して大問題となっている。そんな危機的状況を見聞きして、ちょうどバブルのころに自分が反原発・脱原発の考えに夢中だったことを思い出した。 自分はその頃九州の佐賀県で医学生をやっていた。佐賀の北には玄海原発があった。…

診察室の二つの椅子

クリニックの診察室である。 患者さんの座る椅子が二つあって、背後に待合室に通じるドアがある。 向かって右側の椅子の隣は窓になっていてブラインドが掛かっている。左の壁の前には診察台がある。お子さんの場合、お母さんといらっしゃることが多いのだが…

自傷行為は、なぜ前腕が多いのか。

いろんな自傷行為があるが、一番オーソドックスなのは、鋭利なもので利き腕と反対の前腕を切る事である。 なぜ、この箇所が多いのであろうか。自傷行為をすると、それまでのイライラ感や不安感、落ち込み、怒りのなどのネガティブな感情が、緩和されるという…

「依存症回復者に元気をもらう」ということ

よく依存症にかかわるスタッフが、自助グループなどで回復者と交流した後、「元気をもらった」と発言しているのを聞くことがある。 日常臨床で依存症者を援助していて、回復を継続していることを確認でき、自分の仕事が成果あるものだということを再確認した…

心地良い時間

グループホームで暮らしている認知症の母親のところに時々訪ねて行く。 問いかけても、ワンフレーズくらいのやり取りで終わってしまうので、お互い黙ってテレビをぼーっと見るのだが、 何だかその時間が妙に心地よい。ほっと出来る時間と言うか。 亡くなる直…

発達障害は治る?

最近「発達障害」ではないかとクリニックを受診する人で、 「発達障害って、治らないのですよね」 と言って暗い顔をしている人が多い。 書籍を読んで、あるいは前医の説明を聞いて、そう思い込んでいるようだ。 「人間生きている限りは、どんどん変化して行…

非定型うつ病と広汎性発達障害

最近話題になっているのが非定型うつ病とか新型うつ病。病前性格がメランコリー親和型ではなく多罰的で、状況によってうつ病の症状が変動しやすく、会社では気力がなくふさぎ込んでいるが、プライベートな時間であると活動的になり、海外旅行に行ってしまう…