「被災者のこころのケア」について

今回の震災や、原発事故に関連して、やはり「当事者のこころのケア」の話が出てきた。たぶん、現地に入った専門家も多かったのだと思う。
私自身は、現地で被災した方々にかかわったことがないので、あまり偉そうなことは言えないのだが、実際しっかり機能するのだろうか。
どこの馬の骨ともわからない、被災の実体験のない人が、「さあ、あなたのつらい話を聞きますので、気持ちを言ってごらんなさい、分かち合いましょう」とか言われても。
僕がそう言われたら、ひいてしまうか、余裕のないときは、「お前に何がわかるんだ!」と、悪態をついてしまうかもしれない。あるいは、せっかくそういってくれているのだから、偉い先生みたいだし〜、みたいなことを思いながら、少し演技も入れて付き合ってあげて、却って疲れてしまったり。なんか不自然である。
そんな感じの「専門家から話を聞いてもらった人」もいるのではないか。
ボランティアに行った人の中には、「被災地の人に元気をもらった」なんてシャーシャーと言って帰ってくる人もいたが。
まあ、仮に私が現地に行ってできることはといえば、処方書きや診断書の作成、精神保健指定医業務(入院時診察、診断書、意見書作成)くらいのものだろう。
現地で決してでしゃばることは避けたい。幼稚なヒーロー願望は捨てるべきことは当然のことである。