2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

病棟の想い出(8)

ぼくの当直、あたる方であった。緊急入院も随分とったが、入院患者さんの身体的急変で、身体科病院に搬送なんてことがよくあった。搬送の際は、地元の救急に頼むことが多かったので、救急団員と顔見知りになり、「また先生ですか。この前の患者さん、どうな…

病棟の想い出(7)

病棟勤務のときは、当直業務が当たり前。 独特の緊張感があったが、それなりに楽しくうきうきするひと時でもある。 病棟で働いている夜勤の看護師たちとも、独特の連帯感のようなものが生まれる。 いままで複数の病院に勤務したが、いずれのところでも仕事の…

病棟の想い出(6)

開放病棟で働いているときは、無断離棟が多かった。覚せい剤精神病の人が、幻覚に支配されて1日に何回も離棟したときは参った。だいたいそんな病状の人を、開放病棟で診ようと言うのが間違っているのだが。 その人は混乱しているのか、離棟しても行動パター…

病棟の想い出(5)

10年前後前、慢性期病棟に長期入院している人と、ポールマッカートニーのライブに出かけた事があった。 その人はビートルズ好きで、古びた病室の畳の上にあぐらをかき、ラジカセでビートルズのテープを聴いていた。僕が担当になって2年目くらいのある日の問…

病棟の想い出(4)

10年以上前、衝動性の高い広汎性発達障害の男子を担当しているときの話である。 彼は、過去のある事柄を嫌悪感情とともにこだわっていて、それが原因で衝動的逸脱行為が頻発していた。 なかなか関係もとれず、入院治療は行き詰まっていた。 そこで何とか関係…

病棟の想いで(3)

思春期病棟で、患者さんと関わるとき心がけた事は、関係を作る事。ただ面接するのではうまく行かないので、いろいろな事をして関わった。一緒に病院の周りを走ったり、キャッチボールをしたり、プラモデルを作ったり、絵を描いたり、勉強教えたり。結構自分…

病棟の思い出(2)

患者さんの暴力がスタッフに向いたときも、結構つらいものがある。 えてして患者さんとの接触時間が多い看護が被害にあうことが多い。とくに女性だったりすると心が痛む。 事後処理も大事。患者さんの家族に連絡、被害にあったスタッフのケア、事務的な手続…

病棟の想い出(1)

思春期の患者さんは、衝動コントロールの力が育っていないので、面接中に爆発してしまい、こちらが思わぬけがをしてしまう場合がある。いくら治療者とはいえ防衛本能があるので、必死に防衛したところ、結果的に相手を傷つけてしまった事があった。 家族との…