非定型うつ病と広汎性発達障害

最近話題になっているのが非定型うつ病とか新型うつ病病前性格メランコリー親和型ではなく多罰的で、状況によってうつ病の症状が変動しやすく、会社では気力がなくふさぎ込んでいるが、プライベートな時間であると活動的になり、海外旅行に行ってしまうという。
その様子を知った周囲からは、「怠けているのでは」「パーソナリティに問題があるのでは」と思われ反感を買ってしまう。このような病態を示す一部の群に基盤に広汎性発達障害を認める人がいると思う。
このうつ状態のパターンは、広汎性発達障害の特性である般化できない事で説明できるのではと思う。「般化」とは、例えばSST(ソーシャルスキルレーニング)の中では出来ていた、「知っている人には挨拶する」という行動が、それ以外の状況では全く出来なくなってしまう事だ。つまり、ある状況では可能である行動が、他の違う状況では出来なくなってしまう。これは、もう少し広げて考えると、違う状況での同事項の連続性がないということ。
非定型うつ病の場合も、仕事以外での状況と仕事での状況がまったく別次元であるため、症状の出方が異なってくるのではないか。そして当の症状をもつ本人は、客観的に見ると矛盾している自分の症状の発現の仕方に何の疑問も持たない。
以上は、広沢先生の広汎性発達障害の「タッチパネル様自己イメージ」からインスパイアされたものである。
だいたいうつ病で病休を取っているときに海外旅行に行ったとしても、職場にばれないように細心の注意を払うはず。あえてバレてしまうような状態を結果的に作り出してしまうのは、「バレたら職場の人たちはどう思うだろう」といった配慮が足りないという事。ここからすでに広汎性発達障害の特性が見て取れる。