2012-01-01から1年間の記事一覧

臨床の勘について

医療現場での「医者の勘」というものが軽視される傾向にある。 今は、科学技術が成熟したため検査機器や治療方法が充実しており、医療従事者が直感に頼る事がなくなっているようにみえる。しかし、最後には長年の臨床経験の蓄積から無意識的に出てくる勘がモ…

学校に行けないお子さん

相変わらず、学校に行けないお子さんが、お客さんとして来る。 親御さんや時にはご本人も、元の学校に行けるようになることを期待していらっしゃるのだろうが、だいたい期待はずれになる。僕自身が、学校に行ける行けないなんてどうでも良い事だと思っている…

鎌倉国宝館に行く

午前中、雑用で鎌倉駅周辺に来たので、ついでに鎌倉国宝館に行く。 こじんまりとしたスペースに仏像や絵画などがあるので、なんとなく落ち着く区間である。中世日本にタイムスリップした感じになって外に出てみると、あたりは一変して暗くなり、風邪が吹き荒…

精神科治療について

新しい向精神薬が続々と登場する割に、うつ病をはじめとする精神疾患の治癒率(寛解率)は上がっていないように感じる。むしろ、カウンセリング、環境調整、自助グループなどの薬物療法以外のアプローチの方が、うまく回復しているように感じるくらいだ。結…

発達障害の原因について

最近「大阪維新の会」の「家庭教育支援条例案」が話題になっている。 なんでも、自閉症をはじめとした発達障害が親の育て方が原因であるので、親に育て方を教えてやろうという条例らしい。 自閉症の原因に関しては、カナーの概念提唱以来、「生来的な中枢神…

強迫的にヴァージョンアップする世界

自宅の倉庫には、ウインドウズ歴代のOS搭載のPCが山積みになっている。OSが古くなり使えなくなったのだが、残っているデータ消去が面倒で、そのままになっているのだ。 僕が生まれてからしばらくは、モノは大事に長持ちさせて使いなさいと教えられていたが、…

薬に頼る学校の先生

ADHDやPDDの臨床をやっていると、ときどき学校の先生から、 「この子に薬を処方して下さい」 「今この子に処方している薬を辞めないで下さい」 というリクエストをいただく。 「この子が、学校でよりよく生活できるように」 という理由なのだが、本当にそう…

ゲームにはまる発達障害のお子さん

よく外来に、部屋に引きこもり食事排泄睡眠以外はすべてゲームをやっている、というお子さんがいらっしゃる。 兎に角頭の中はゲームの事しかない。特に視覚優位でこだわりが強い子にとって、コンピューターゲームほど自らの特性にフィットするものはないのだ…

パロキセチンの後発品

お昼に薬屋さんが来て、パロキセチンの後発品の情報を持ってくる。 今までのパロキセチンの剤型は、10mgと20mgの2種類しかなかったが、個の後発品には、5mgの剤型があるらしい。その5mgの剤型も、半分、4分の1(?)に割れるように線が入っている…