病棟の想い出(6)

開放病棟で働いているときは、無断離棟が多かった。覚せい剤精神病の人が、幻覚に支配されて1日に何回も離棟したときは参った。だいたいそんな病状の人を、開放病棟で診ようと言うのが間違っているのだが。
その人は混乱しているのか、離棟しても行動パターンは決まっていて、病院の近くのバス停に行ってバスを待っているのだ。
だから何回目かの離棟のときは、先回りしてバス停で待っていたりした。
結局その日の夕方には、関連病院の閉鎖病棟に転院となった。