病棟の想い出(8)

ぼくの当直、あたる方であった。緊急入院も随分とったが、入院患者さんの身体的急変で、身体科病院に搬送なんてことがよくあった。搬送の際は、地元の救急に頼むことが多かったので、救急団員と顔見知りになり、「また先生ですか。この前の患者さん、どうなりましたかね〜」なんて世間話をする仲になったりした。救急車に乗って同行するのだが、患者さんを転院先の病院に運び、担当の先生に申し送りをし、家族に経緯を説明すると、自分の役割は終了。帰りは救急車で自分の病院まで送ってもらう。夜は白々と明けるころ、眠気に襲われるが変に興奮状態にあり、また少しホッとしている状態で、救急車に揺られる。これが結構気持ち良かったりした。