1984.8.12(日)〜8.14(火)

1984.8.12
9:00出発。3年女子は遅い。札幌駅で昼絵師を食う。超リッチなブランチ。長万部まで超古い客車。青と茶が交互に編成されているやつ。一番後ろだったので、線路が直に見える。ずっと見てる。札幌で降っていた雨は、南に来るに従って晴れる。長万部の海は異様に青い。海の家に電話。そこの待合室に手帳を忘れたらしい。Sと同じ手帳。手帳のこと話している時忘れたらしい。瀬棚線の29歳の車掌の漫談などを聞きながら瀬棚へ。海の家まで徒歩10分。Sが疲れているようである。買い出しをして夕日を撮って、飯食ってビール飲む。風呂入る。180円の公衆浴場。町則のようなものが壁に貼ってあって面白い。結婚式の引き出物禁止とか。月が川に移りエコバニのkilling moon聴きたくなる。

1984.8.13
朝、快晴の中を得意の放浪に出る。手帳忘れたのを気にしながら。でっぱして、港まで来た丁度そのとき、「町田市のアサクラ様、事務所までいらしてください」との放送。ついに家族の誰かが死んだかと思い、事務所に行ってみると、今呼び出した人が、船の綱を取りに行っているとかで、ちっとも取り次いでくれない。異様に待ち時間が長く感じる。結局、長万部駅から手帳をを収得したが、函館に送ってもらうようにしようかとのこと。丁重にお礼を行って乗船。甲板でうとうと。奥尻は超でかい島。鍋つるにはとてもテント張れそうにないので、バス610円かけて、無縁島まで行くことにした。その前になべつるの風の強いところで昼飯。みんなカツオのように寝ている。無縁島も風が強くて張れない。反対側の入り江のほとりの石がごろごろしているところに張る。夕焼けがテントの中から見える。海に沈む夕日をテントから見る。夜は星をみるが月光が明るくて、諦めて寝てしまう。

1984.8.14
午前中は、泳いだり焼いたりしている。曇りがち。午後は日が出て、風呂までの道を1時間30分歩いているときはかんかん照り。海が青くてきれい。行く途中ここで泳いだら良いだろうというところが沢山ある。かむいわき温泉。なんだか北海道のチンピラが沢山いる。Yシャンプーが、別の風呂に入ってしまったので、私は石鹸で頭を洗う。バスに乗り、帰る途中カメラを忘れてきたことに気づいたが、キャンプ場に着いてから水場でY、Cに言う。Yもカメラを海に泳がせている。私はすぐ懐電を持ってかむいわきへ。風呂に入る前、あんまの椅子に荷物を置いてトイレに行ったときザックだけを風呂に持って行ってしまったんだ。風呂に入っているときは、もう取られて痛んだと思う。民宿で電話するときは、少ししか走っていないのに、腕から水玉が吹き出し、民宿のおっちゃんが差し出した電話帳をみるが、なかなかかむいわき温泉が見つからない。まるで夢のようだ。民宿を出て少し行くとさっき言ったパトカーが戻って来る。手を上げてヒッチハイク
ヒッチハイクして旅行しているのかね」
いやいや、苦笑い。温泉へ逆戻りしてくれる。しかしやっぱりない。
「機種は」
PENTAX MG」
「今日無くしたんだね」
「はい」
PENTAXなら昨日落し物で届けられているんだが。一仕事して、また帰ってくるから」
密漁かなんかの取り調べらしい。
「君はちょっと海の方でも行って散歩しておいで」
丁度海へ夕日が落ちる夢のような光景。逆光で道端の人が影になる。一種異様な雰囲気。家や旅館の前で6~7人が固まってたむろして、パトの中での取り調べを見ている。見上げる石肌がオレンジに染まり、ますます空は青い。