1976.3.6
チロがどうもこのごろさえないので、獣医さんにきてもらった。やはり僕が思った通りフィラリアだった。腹水がたまっているという。本当だった。暖かい所に入れろというため、玄関にいれた。ぼくは久しぶりにチロを身近に感じた。そしてとても心配だ。見るとさっきより水がたまっている。息づかいも荒い。
1976.3.7
うつろな日曜日だった。頭の中はチロの事ばかりだった。何をやろうとしても手につかなかった。風が吹いて嫌な日だった。町田に買い物に行ったが、買うものを間違え怒られた。しかしこういう日もあって良い。
1976.3.8
久しぶりの剣道だった。行く前は腕がぼきぼきと鳴った。T先輩もそう思っていただろう。ぼくの２倍も３倍も。そして72群に受かったんだから、なおさらだろう。回り稽古は調子が良かった。頭がすっきりした。心もすっきりした。やっぱり精神集中するとすっきりするものだ。やっぱり剣道が一番良い。スポーツの中で一番良い。
1976.3.9
今日Bちゃんが来た。しかし全然つまらない。同じ事ばかり繰り返している。ぼくと気が合わないようだ。だから行く気もないのに新宿行こうと言ってしまった。あいつとは静かに別れたい。あっちもそう思っているだろう。
1976.3.10
剣道だった。だいたい形は出来上がった。進級審査は４日後だという事を知って、びっくりした。ぼくは少々焦った。しかし此処まで来たのだから後戻りは出来ない。進級審査のとき自分の持っている物を全部出し切るのだ。そして自分の取り柄を掴むのだ。
