精神神経学会

昨日から精神神経学会で北海道に来ている。
今年はいつにもまして、発達障害ネタが多い。児童精神科の先生は大忙しである。
2日目の1つめは、内山先生のシンポジウム。発達障害の「診断閾下」の人って、場合によってはかなりの数の人が当てはまってしまうのでは。そもそも、そのような「ちょっと変わっている人」を医学が扱うべきなのだろうか。確かに「ちょっと変わっている人」が生きづらい世の中であるが、本来は社会全体がサポートしていくべきなのでは。同じことを、青木先生の教育講演のときも感じた。
2つめは、斎尾先生のシンポジウム。クリニックレベルの軽症例は、医療面接の技術で充分なのではと思った。一時期僕は漢方専門医の先生の診察に同席していた時期があったが、今まで陪席したどの先生より精神療法をしていると感じたことを思い出した。いっそのこと軽症の精神疾患は、内科の先生におまかせした方が、と思ってしまう。
うつ病診断のシンポジウムも聴く。こころを自然科学が扱うのはやはり限界があるよなあ〜。そしてこころの状態を診断するって、それにたいして薬を処方するってどういうことなのか、もう一度考えないとな。古茶先生の話を聞いて思う。
最後は、依存症のシンポジウム。会場が満員で入れず。知り合いの依存症専門医が「依存症治療を志す若い医者がいなくて」とぼやいていたが、ほんとなのだろうかと思うほどであった。松本先生は、いつものお話。「偉い先生が関わるより、地域の福祉関係のおじさんが関わる方が、依存症の人が繋がって行く」が残る。

全体を通して、精神科の医者が本当にやるべきことは何かということを考える機会となった。また学会に来ていつも思うことなのだが、精神科学は自然科学としての医学でいさせて貰ってよいのか。ということ。これはまたそのうち。