日本の未来の才能

他院でアスペルガーではないかと言うことで、こちらで精査をと紹介された男子。
絵が好きなようで、いろいろ資料として作品を持ってきてくれる。
独創的でエネルギーがあり、魅力的な作品だと思うのだが、「美術の先生に、ちょっと
常軌を逸している、と言われた」と言う。脇にいたお母さんも、「やはりちょっと
変かなと思って...」と言うのだ。確かに紹介状に添えられた発達検査とか、幼少時の
情報なんか聞いていると、PDDだろうと思うのだが。
本来美術って常軌を逸してるから、その魅力が出てくるんじゃねえのか。
そんでもって、そのようなところから、歴史的な名作品が生まれてくるのでは。

何でも発達障害で片付けて囲い込んでると、
才能ある人は片っ端からつぶされ、日本の未来は暗いぞ。

そのような動きに図らずも片棒担いでいるぼくは、時に自己嫌悪。
こんなことするために、児童精神科医になったのではなかったはず。