スペクトラム

最近はスペクトラムばかり。
ぼくが一番最初に知ったのがウイングの「自閉症スペクトラム」。
その後も、
統合失調症スペクトラム
双極性障害スペクトラム
強迫性障害スペクトラム
などなど。

精神疾患の軽症化、グレイゾーンケースの増加など、
さまざまな要因があるのだろう。
しかしぼくはこの考え方が好きである。
特に正常(定型)から異常までの連続体にかんして。

ADHDやPDDの講演をし始めるようになった
一昔前、講演の後に必ず冗談まじりで聞かれた感想。
自分もずいぶん当てはまった、ひょっとして自分も
ADHDあるいはPDDではないか。

まあ当然だ。われわれの位置しているところと
連続しているのだから。現実なのである。
へんに境を作るのが不自然。偏見を生むだけ。

あともう一つ(自閉症スペクトラムの考え方が好きな理由。
バックグラウンドの明度により、グレイゾーンが際立ったり、
目立たなくなったりするところ。

例えば、黒から白に徐々に移り変わる明度を示す帯があるとする。
背景が真っ白であれば、少し白に黒が混じっただけで、立派にグレイだ。
しかし背景が灰色に近い城であれば、ある程度のグレイまでは目立たない。

背景は、社会の状況あるいは個人を取り巻く環境。
現在は背景がどんどん純白になってきていると言えるだろう。
明度の帯そのものは明るい白の方に傾いているのだが。
文章にするのは難しいが。