父の譫妄

ターミナルの父がいよいよ譫妄状態をきたすようになってきた。
本日仕事の後に、面会に行ったらほとんど会話できず、
ベッドからたったり座ったり、「外に散歩に行く」と言い張る。

精神科駆け出しのときの大学病院での当直を思い出す。
よくリエゾンの患者さんで、夜間譫妄がでて呼ばれて、
すったもんだするというパターン。
近くを走る高速道路の灯りを見て
イカ釣り舟がでているので、俺も行ってくる」
とか言って真夜中に病棟を出て行こうとした人がいたな。
ハロペリ点滴するけどなかなか寝なくて、
看護師の目が冷たく突き刺さり、無力感で
一杯になりつつ、夜明けまでその人に付き添ったり
したな。

父にもハロペリ半A+生食50が使用されているようだ。
10数年前と全く同じ。当時はそれと「ニコリン」
というふざけた名前の脳代謝改善剤が使われていたが
いつの間にか消えた。

譫妄中の父を見ていると、
体の中のがん細胞が優勢となり、
父の意志とは別のところで、
行動を操られているようにも思える。
がん細胞の意志で動かされている
父親の体と言う感じ。