1976.1.29-2.4

1976.1.29

今日は学校が早く終わったので、Iくんの家に行った。珍しく上がれよといった。母さんはいなかった。彼には妹と弟がいる。母さんがいない間面倒を見ているわけだ。母さんが近くで働いていても、面倒を見ていることに変わりない。そういう点はとても偉いと思った。彼がすごく貫禄があるように見えた。学校と家庭ではこうも違うものなのだ。すごく価値がある人間だと思う。

 

1976.1.30

この頃どうも寝不足だ。

いくら夜遅くまで勉強をやっていても、いくら朝早くテニスの練習をやっていても、その一日は、あまり価値がなく無駄な一日になってしまう。

みんなを笑わすこともできないし。他人が言っているユーモアもわからなかった。また風邪が流行り出したのか、Fと隣の動物園が休みだった。

放課後のテニスはいつものようにだれていた。しかしまじめにやるだけがテニスではないと思い、Iと2時間ぶっ通しで乱打をやっていた。

 

1976.1.31

長閑な土曜日だ。下校中Sと鳥の名前を言い合った。

「あ、あれはヒヨドリだ」

「あ、あれは赤バラだ。どんどん逃げていく」

「あれはなんだろう」

「雀だよ」

「あ、モズだ」

「尾っぽ振っている」

「この前、生贄になったカエルがミイラになてやーんの」

「あ、つぐみだ」

シジュウカラだ」

「カラスだ」

「コガラだ」

「鶏だ」

などと言いながら歩いていた。昨年より一段と鳥が増えた感じがした。

 

1976.2.1

今日はあまり眠くないのに寝坊してしまった。いつもは寝坊すると気分が悪いのに今日はそうでもなかった。12時頃から母と町田へ行った。途中母とはぐれてしまい、一時間も探し回った。こんなことは初めてだった。帰っとSONYの60分のを3本買って17本になった。それから世界の放送の本も買った。逸れたけどすごく面白かった。ダイエーにいなかったら帰ろうと思ってい歩いていたら「お兄ちゃーん」とでっかい声がしたので恥ずかしくなった。

 

1976.2.2

今日は何のために勉強するのかの作文について先生がおっしゃった。

「この中でKのが一番良くできている。今基礎英語をやっているんだと書いてある」

と言った。僕はびっくらした。あのぽけ〜っとしているやつが。勉強はあまりできないけれど、器用で運動神経がよく。じっくり一つのことを考える。そういう人が模範的少年だと僕は思う。

 

1976.2.3

昨日テニスができなかったので今日やった。やっぱりスカーっとする。朝一日の始まりにスカーっとするとその一日もスカーっとする。

やっと僕もスポーツや早起きの良さがわかってきたようだ。今まで僕は一つ損をしてきたような感じだ。

ふと振り返ると真っ赤な朝日が登る。今日一日で一番よい時は。あの時だと思う。毎日早起きするのが楽しみでたまらない。

 

1976.2.4

今日剣道で、進級審査のための形をやった。初めてなのでなかなかうまくいかない。何度も繰り返していくうちにやっとわかってきた。

僕は剣道を習い始めて初めての大きな山を登り始めているのだなあと思った。そう思うとファイトが湧き、勉強よりこっちをやったほうがいいやなどと思った。

今日は父の誕生日なので録音テープをとり再生していたら

「もういい」

とか言って全然聞いてくれなかった。ツマらしい。